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松本国際―松本第一 四回裏、松本第一・鈴木が先制適時打を放つ=2024年9月29日、県営上田、小山裕一撮影
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 来年春の選抜高校野球大会につながる第151回北信越地区高校野球長野県大会(秋季)の決勝と3位決定戦が29日、長野県上田市の県営上田野球場であった。決勝では松本第一が松本国際を破り、優勝した。3位決定戦は長野商が勝ち、松本第一や松本国際とともに、北信越地区大会出場を決めた。

 決勝は投手戦で展開。松本第一は四回に鈴木の適時打で挙げた先制点を守り抜き、1―0で松本国際を破った。松本国際の投手陣は松本第一の打線を被安打3に抑えたが、唯一の好機だった八回に、二塁走者が捕手からの牽制(けんせい)で刺されて得点できなかった。

 3位決定戦の長野商―上田西は、長野商が二回に戸谷のスクイズや加藤の2点本塁打で逆転。四回にも押し出しで追加点を挙げ、そのまま4―1で逃げ切った。上田西は一回に伊藤の適時打で先行したものの、その後は長野商のエース・加藤にかわされた。

 北信越地区大会は10月12日に石川で開幕する。

 県大会を主催する県高野連は大会期間中、能登半島地震の被災地の球児を支援するため、球場で義援金を集めた。集まった義援金は約27万円で、石川県高野連に届けられる。

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 松本第一のエース・川合大雅投手(2年)は被安打4、無四球で松本国際を完封した。球数は82球。三塁を踏ませなかった。

 カーブとスライダーで打者のタイミングを外す。外角低めに直球を決めて、カウントを不利にしない。「外角低めは、意識して練習しているので、自信があります」。田中健太監督も「我慢強く投げてくれた」と評価した。

 奪三振は2にとどまったが、バックを信じて、打たせて取ることを心がけたからだ。内野は強い打球を止め、外野は難しい飛球を好捕し、川合投手をもり立てた。

 ピンチは八回表、左前安打を打たれて先頭打者を唯一出した場面だった。

 さらに、捕逸で無死二塁になり、ピンチが拡大。川合投手が「集中しろ」と励ますと、ミスをした福沢龍也捕手(2年)が直後、飛び出した二塁走者を送球で刺した。失敗をしてもすぐに取り返し、仲間たちの頼もしさを感じた。

 目標の一つだった秋の県大会優勝は果たした。しかし、まだ、途中段階だと思っている。「北信越地区大会で優勝し、選抜大会に出場するのが次の目標です」(小山裕一)

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